事例7

生前整理のお手伝い

まだ動けるうちに銀行に行きたい

内閣府の調査によると、高齢者世帯の25%以上が単身世帯、つまり4件に1件は独居ということになります。
アラジンケアに寄せられるご相談にも、この単身高齢者へのサービス提供に関するものが少なくありません。
本ケースでは、がんで余命告知された入院患者が、生前整理のために銀行で各種手続きを行うためのお手伝いをした事例をご紹介します。

病院の担当者から連絡があり、入院患者である50代の女性Dさんが銀行に行きたいため、付き添ってほしいと相談がありました。もともとDさんはがんで余命告知も受けており、生前整理も着々と進めていたのですが、体調が急変し、緊急入院してしまいました。Dさんはまだ動けるうちに、自分で銀行に行き、これから必要になるであろう現金を降ろしたかったのです。ご自分が亡くなった後のことは、ご親族と話し合っていましたが、生前整理はご自分で行ないたかったようです。

銀行窓口の対応に時間がかかり

Dさんの容体を考えると、時間の猶予は無く、ご本人もそれを認識されておられました。ご相談を受けた当日に必要書類が揃うということだったので、その日は病院にお伺いし外出の打合せを行いました。
思ったよりもご本人の状態がよく、これなら支障なく外出できそうです。
銀行への外出は翌日の午前中ということになりました。

ところが翌日、再度病室にお伺いしたところ、ご本人の状態が変化しており、必要書類や印鑑の保管場所が思い出せないなど、明らかに認知機能が低下していました。ご本人の状態を見ながら、時間をかけて準備を進め、なんとか銀行に出発することができました。

いよいよ銀行の窓口で手続きを行うときになって、問題が起こりました。出発前までは「銀行にお金を降ろしに行く」とおっしゃっていたのですが、実は「口座を解約しに行く」だったのです。
口座にはそれなりに大きな金額が預けられていたこともあり、窓口対応に時間がかかります。幸い、本人確認用の書類も揃っていたため、手続き上の問題は無いはずなのですが、口座解約の理由をしつこく尋ねられるなど時間ばかりかかります。
アラジンケアの看護師が状況を丁寧に説明し、なんとか口座解約することができました。窓口手続きに1時間以上を要したことになります。

生前整理は気持ちの整理の過程でもある

ご本人としては、自分が亡くなってしまうと口座が凍結され、死後整理を頼んでいるご親族に金銭的な迷惑をかけると考えたようです。だから口座を解約し、全てを現金化してご親族に預けたかったようです。

単にお金の問題として考えれば、口座を解約しなくても、ご親族の口座に現金を振り込めば済むことです。しかし、まだ生きて動けるうちに自分で口座を解約し、現金を全てご親族に預けるという一連の作業が、ご本人にとってはとても重要なことだったのではないでしょうか。生前整理にはご本人の納得感や気持ちの整理の過程も含まれることを深く考えさせられた事例でした。

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