事例1

80代の母が認知症と診断されて

80代の母が認知症と診断されて

現在、65歳以上の高齢者の15%が認知症を患っているといわれます。認知症になると、記憶力や判断力が著しく低下し、徘徊やせん妄、うつなどの症状が表れます。このため、病気が進行すると介護が必要になり、自立した暮らしを営むことが難しくなります。
しかし、認知症が軽度で、かつ適切なサポートがあれば、患者様が自立した生活を営むことは十分に可能です。本ケースでは、アラジンケアの定期的な看護師訪問を活用しながら、住み慣れた自宅で1人暮らしを続けている事例をご紹介します。

80代のAさんが、認知症と診断されたのは5年前。娘さんは2人とも就職して独立し、夫亡き後は自宅で1人暮らしを続けていました。Aさんは活発な性格 で、日常生活には問題がないのですが、高血圧や糖尿病などの持病があるため、服薬が欠かせません。娘さんたちは毎日交代で実家に顔を出し、お母様の見守り を続けていました。

病気が進行し、疲れ果てた家族が施設入居を検討

ところが、日を追うごとに、Aさんの認知症は進行していきました。失禁が見られるようになり、記憶障害もひどくなって、娘さんたちが用意した薬を飲み忘れることもしばしばでした。
薬の飲み忘れもさることながら、ご家族を悩ませたのは「火の元の始末」でした。Aさんが火事を出すことを心配した娘さんたちは、毎晩必ず電話して「コン ロの火は消した?」と念を押すようになりました。また、できるだけ火を使わなくてもすむようにと、宅配弁当の手配もしましたが、それでも心配の種は尽きま せん。そうこうするうち、娘さんたちは精神的に疲れ果ててしまったのです。

このままでは、自分たちのほうが先に参ってしまう――危機感を覚えた娘さんたちは、お母様を入居させる施設を探し始めました。施設にはプロの介護スタッ プが常駐しているので、お母様のケアを安心して任せることができます。見学に行った施設の雰囲気が明るく、感じのよいスタッフが揃っていたことも、娘さん たちにとっては安心材料となりました。

在宅での療養を決意させた母の一言

しかし、娘さんたちがAさんに施設入居を持ちかけると、Aさんは顔を曇らせました。
「私は、できれば自宅で過ごしたいんだけど……。でも、お前たちが、『施設の方が安心』というのなら仕方ない。もう、他人の世話にならないと、生きていけない年齢になったんだねえ」
寂しそうな母の様子に、2人の娘さんは胸を突かれました。家族の楽しかった思い出が染みついた自宅を離れたくない、というAさんの思いが痛いほど伝わっ てきたからです。いずれ施設に入るにせよ、もう少しだけ自宅で過ごさせてあげられないものか。あと1年、いや半年でいいから、母に今の暮らしを続けさせて やりたい、と強く思うようになったのです。

とはいうものの、娘さんたちも仕事がある身。もはや家族だけでAさんを看るのは限界でした。しかし、Aさんはまだ要介護の状態ではないため、地域の訪問看護ステーションを利用することはできません。
「このまま行けば、仕事と介護が両立できなくなり、家族も共倒れになってしまう。せめて土日だけは休みたい」――娘さんたちがケアマネに相談したところ、 紹介されたのがアラジンケアでした。アラジンケアは曜日も時間帯も自由に設定できる自費の看護サービスなので、娘さんたちの仕事のス ケジュールに合わせて利用が可能です。アラジンケアの看護師が土日のケアを行うことで、娘さんたちにケアの休息日を作ることができました。

看護師のサポートにより自信を取り戻す

看護師は、土日に訪問してAさんの病状をチェックし、その内容をご家族にフィードバックします。また、薬の管理も含めて、週末にまとめて行えるケアを集 中的に行い、ご家族の負担を極力減らすよう努めました。特に薬の管理は、お薬カレンダーを導入し、飲み忘れを防止しました。娘さんたちも看護師からさまざ まなアドバイスを受け、安心してAさんをケアできるようになりました。プロの医療スタッフが関わったことで、認知症の母を看護するストレスが大いに軽減さ れ、仕事と介護を無理なく両立できるようになっていったのです。

認知症になっても、自分にはまだまだできることがある。適切なサポートさえあれば、自宅で無理なく1人暮らしを続けられる――それがわかったことは、Aさんにとっても大きな自信となりました。
最初は施設に入ることに難色を示していたAさんでしたが、希望通り自宅での生活を続けている中で、少しずつ気持ちの整理をされたのか、今では施設への入 居を前向きに考えているそうです。アラジンケアを利用することで、現実を見つめ、現実と折り合いをつける準備期間を作ることができたのかもしれません。

看護師のサポートで一日一日を大切に生きる

「認知症が進んでも、母には人としての尊厳を持って生きてもらいたい。そのために、母も私たちも、一日一日を大切に過ごしています」と、娘さんは語ります。
認知症は症状が進行していく疾患です。いずれはAさんにも、独居を続けることが難しくなる日が来るかもしれません。しかし、疾患に対する専門知識と豊富 な経験を持つプロのサポートがあれば、認知症の進行が穏やかになることもあります。例え進行しても、そのときの状態に応じた穏やかな生活をサポートするこ とは可能です。「今、この瞬間を大切にしたい」という患者様とご家族の思いを支えたい――そんな思いを新たにした経験でした。

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